「貯める力」がないままの投資は、逆にお金を減らしてしまう

2つ目は、「お金を増やすため」です。最近、「貯蓄から投資へ」と言われます。14年に一般NISA、18年につみたてNISAが始まり、16年には個人型確定拠出年金にiDeCoという愛称が付けられました。近年、20代、30代を中心に、iDeCoやつみたてNISAを通して投資信託に投資する人たちが多くなってきています。

私も16年6月に『はじめての人のための3000円投資生活』(アスコム)という本を出し、少額からでも「増やす」ことが大切だと伝える本が、シリーズ累計90万部を超えるベストセラーになりました。若いうちから、少額でも長期分散投資をすることが大切ということをお伝えしてきたつもりです。

しかし、ここのところ投資を始める人のなかには、みんながやっているから、すすめられたからという理由で、何も考えずに投資を始めてしまう人もいます。

家計が赤字なのに(生活費の予備となる)貯金を切り崩して投資をしたり、カードで生活費を回しながら投資をしたり、キャッシングなどで借金するような人が投資関連の本を読みあさり、実際に挑戦してのめり込み、成果に一喜一憂しているケースなどをちらほら見かけるようになりました。

余剰資金で投資をしていないために、トラブルでお金が足りなくなったときに、損するタイミングで引き出したり、「今年は満額かけられますが、来年は難しそうです」と長期投資の観点からは遠い発言をされた方もいらっしゃいます。

「投資」としては非常に本末転倒なことをしている方も少なくないのです。

結局、始めてみたものの、でも十分なお金がないのにチャレンジすると、必要以上の時間と労力を注ぎ込んで、かえって赤字が増えてしまうのです。つまり、お金の基本の力である「貯める力」がないままに投資をやってしまうと、増やすどころか減らすことにもなりかねないのです。