海外情勢、インフレ、物価の上昇……。世界経済は転換期を迎えています。先の見通しづらい今こそ、少しでも資産を増やしておきたいもの。しかし、一足飛びに投資を始めるのは危険でもあると、家計再生コンサルタントの横山光昭氏は指摘します。では、投資以前に大切なものは何か――それは、「貯める力」だと説きます。

話題の書籍『90日で貯める力をつける本』では、2万件を超える「赤字家計」「貯金ゼロ」「低年収」家計を再生してきた横山氏が、お金に困らないための究極メソッドについて優しく解説。今回は、本書の『はじめに』、第1章『あなたの人生を豊かにする「貯める力」のすごさ』の一部を特別に公開します。(全4回)

※本稿は、横山光昭著『90日で貯める力をつける本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

今こそ「貯める力」が大事だと痛感

なぜ、今、「貯める力」なのでしょうか。理由は2つあります。

1つ目は「リスク対策」です。ここのところ、スーパーではいつもの食品が値上げになり、気づけば光熱費も増え、物価高・インフレの時代になってきています。なのに、収入は増えないどころか手取りが減っている人さえいるでしょう。

そのうえ、海外の情勢不安やインフレで、この先どうなるかが読みづらい世の中です。物価は上がり、手取りは増えないのに、景気は不透明、家計が苦しい人が増えているといえます。

はじめて本記事の元となる本を出した2009年当時は、リーマンショックの直後でした。世界的な金融危機に、当然のごとく日本も巻き込まれ、不景気となり、個人の生活にも大きな影響を及ぼしました。

今も同様に、世界的に景気が不透明な状況です。こうした大きな危機のときは、お給料が減ったり、職を失ったりというリスクも増えてきます。

そんなときに貯金がないと、あわてたり、妥協したり、やりたいことをあきらめたり、さらには、騙されやすくなることもあります。結局、収入がなくなったときに、乗り越えられるかどうかは、メンタルの強さなどもありますが、貯金があるかどうかも大きいのです。

リスク対策として貯金は重要なのです。