経験年数「3年未満」が最多―その問題とは?
経営トップの出身会社を見ると、日系大手資産運用会社の場合、7割以上が「グループ内他社」の出身でした。
また、資産運用会社での経験を持っている経営トップでも、経営トップに就任する前の資産運用会社における経験年数は、日系大手資産運用会社の場合、「3年未満」が最も多く、全体の36.4%を占めているのに対し、世界の大手資産運用会社30社の場合、たったの11.1%でした。
これでは資産運用会社のカルチャーなど、理解できるはずもありません。
この点、世界の大手資産運用会社30社の経営トップは、半数近くが「勤続10年以上の内部昇進」であり、かつ経営トップに就任する前の、資産運用会社における経験年数は、20年以上が59.3%も占めていることを、同レポートは指摘しています。
資産運用ビジネスを志して新卒で入社し、資産運用ビジネスの最前線で長年働いてきた人物を内部昇進で経営トップに据えるのではなく、グループの中核企業で出世競争に敗れた人物の天下り先として資産運用会社が利用されているとしたら、これは最悪の人事といっても良いでしょう。
こうした点を指摘したことも踏まえ、今回のレポートは、資産運用会社の経営トップを対象にして、その現状に対する疑問点と、本来どうあるべきかという改善点を示唆したものとして、注目されます。興味のある方はぜひ確認してみてください。