与党が目指す憲法改正案

国民投票は、その手順も大切ですが、改正内容の方がより重要でしょう。自民党は2012年4月、憲法改正の草案を決定し、公表しました。これによれば、「国防軍」を設置すること、国に教育環境の整備を義務付けることなどが明記されています。なお、現在は国防軍ではなく「自衛隊」と明記することの是非が議論されています。

【自民党「日本国憲法改正草案」の主な条文(一部抜粋)】

出所:自由民主党 日本国憲法改正草案

他に個人情報の不正取得の禁止(第19条の2)や、国の国民に対する説明責任(第21条の2)も新たに明記されました。主な変更点としては、憲法改正の発議に必要な国会議員の賛成を3分の2以上から過半数へ緩和していること(第100条)、選挙権に日本国籍要件を付していること(第15条3項)などがあります。

もっとも、これはあくまで自民党の草案であり、また作成が10年以上前と古い点には注意が必要です。