資産運用は若い層だけではなく、収入が限られている高齢者にとっても重要なものです。NISAの利用者の割合を年代別で見ながら、個人投資家は「高齢になった時の資産運用」をどう考えるべきかを解説していきます。

「投資から資産形成へ」その成果とは

MUFG資産形成研究所から、3月28日に「若年層の投資に対するイメージとその向上に向けた取組み」というレポートが発表されました。三菱UFJ信託銀行が運営しているMUFG資産形成研究所は、現役時代から退職後の時代までを対象に、資産形成・資産運用に関する調査・研究、レポート作成を行う、2018年に設立された研究機関です。

今回、同研究所が発表したレポートは、若年層の資産形成に対するイメージなどについて分析したものです。特に近年では、つみたてNISAを中心にして20代、30代の若年層における口座開設が増えており、その意識の変化を読み取ることを狙いとしたレポートになっています。

政府は以前から「貯蓄から資産形成へ」という掛け声のもと、個人の資産形成を促すための政策を打ち出し続けてきました。この「貯蓄から資産形成へ」のスローガンができたのは、2001年6月に打ち出された「貯蓄から投資へ」のスローガンがなかなか受け入れられず、その理由を投資という言葉が敬遠される理由の1つだと考えたためです。

しかし、結果として「貯蓄から投資へ」というお金の流れは、全くと言っていいほど起こりませんでした。それは、次に説明する数字を比較すれば分かりやすいでしょう。

まず2000年12月の個人金融資産は1409兆円で、それに占める現金・預金の比率は53.9%でした。次に、2022年12月の個人金融資産を見ると、総額は2023兆円、現金・預金の比率は55.2%でした。

ちなみに、2000年12月時点の個人金融資産における株式の比率は8.6%で、投資信託は2.4%です。それが2022年12月時点での比率は、株式9.9%、投資信託4.3%ですから、両者とも若干上昇はしたものの、相変わらず現金・預金の比率が高く、この22年間において「貯蓄から投資(資産形成)へ」のスローガンは、ほとんどの人に響かなかったことが分かります。