日頃感じているようなお金の疑問や悩み…。
5人のケースでライフプランニング

当デジタルブックに登場する5人(Aさん~Eさん)の仮想プロフィールを簡単にご紹介すると、次のようになります。「自分に似ているな、近いな」と感じる人物はいませんか?
 

Aさん
◇49歳の男性で既婚。中堅企業の管理職(別会社で長らく非正規雇用、転職経験あり)。
◇妻は教職。私立大学生の長男と公立高校生の長女(私立大学に進学か)。
◇世帯収入は1000万円、貯蓄は700万円。
◇45歳で買ったマンションのローン(返済期間残り26年)残高が約3600万円。
◇父親と妻の母親の介護も意識。
◇定年後も65歳まで働きたい。
◇老後の備えは公的年金、職場の一時金、企業型確定拠出年金。

Bさん
◇Aさんの元カノで48歳の女性。5年前に離婚し、私立高校生の一人息子と暮らすシングルマザー。
◇大手メーカー勤務で、年収は700万円、貯蓄は300万円。
◇家賃15万円の賃貸マンションに居住。
◇息子の大学進学後の海外留学希望を叶えたい。
◇自分の年金制度については把握していない。
◇仕事は60歳定年まで勤め上げるつもりだが、転職も機会があれば。

Cさん
◇Aさんの友人で48歳。Aさんの取引先の知人。
◇妻は専業主婦。国立大学生の長男、公立高校生の長女(私立大学に進学か)。
◇年収は500万円、貯蓄は100万円。
◇一年前にマンションを購入したばかりで、ローン(返済期間残り29年)残高が3000万円。
◇勤務先では活躍中だが契約社員のまま。
◇老後の備えは公的年金と企業型確定拠出年金(全額を預金)。そもそもFPに何を相談すべきか不明。

Dさん
◇48歳の男性で独身。Aさんの学生時代の友人。中堅IT企業のプログラマー(長らくフリーター後、現職で正社員に)。
◇父親は他界、父が建てた家に同居している母親の介護を意識。
◇年収は500万円、貯蓄はなし。
◇元公務員の母親は病気がちだが、年金や貯蓄を使い医療費などを自分でやりくり。
◇勤務先で加入予定の企業型確定拠出年金については詳しくない。
◇そもそもFPに何を相談すべきか不明。

Eさん
◇45歳の女性で独身。Bさんの学生時代の後輩。翻訳業でフリーランス(以前は10年ほど会社勤務)。
◇昨年父親が他界し、10年前に購入したマンションで母親と同居。
◇母親から生活費として月10万円を受け取り。
◇年収は400万円、貯蓄は500万円。
◇マンションのローン(返済期間残り25年)残高は約2400万円。
◇学生時代に留学した米国でよく耳にしたFPに相談できる機会を得てありがたい。 

こうしたプロフィールを持つ5人が各々、FPとどんな会話をしながら、どんな家計の見直しや将来への備えに取り組んでいくことになるか、どうしてそうした取り組みが必要になるかは、無料でダウンロードできる当デジタルブックをぜひご自身で読んで確認していただきたいのですが(繰り返しますが、短い脚本のようで取っ付きやすい読み物です)、FPが主に“何に注目点を置いてアドバイスを行ったか”について簡潔に示すと、次のようになります。ご自身が日頃感じているのと同じような、生活やお金に関する疑問や悩みなどがありませんか?
 

Aさん
〇老後(リタイアメント)の備え(プランニング)の基本
〇住宅ローンの仕組みや借り換え
〇保険の見直し
〇企業型確定拠出年金で積立投資

Bさん
〇ラテマネーやサブスクなどの支出見直し
〇教育費の具体的な目途
〇リタイアメント・プランニング
〇ねんきん定期便の見方
〇個人年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用

Cさん
〇高額療養費制度や傷病手当金といった公的給付制度の理解
〇保険の見直し
〇妻のパート開始による家計増収
〇リタイアメント・プランニング
〇企業型確定拠出年金で積立投資、また、つみたてNISA(筆者注:2024年からは後述する新NISAも始まる)でも
〇公的年金の受け取り方(繰り上げ・繰り下げ)

Dさん
〇母親の医療や介護に関連して自己負担の歯止めになり得る後期高齢者医療制度における高額医療費制度
〇同じく公的介護保険の高額介護サービス費制度
〇同じく高額介護合算療養費制度
〇母親の生活費と自分の生活費の区別
〇リタイアメント・プランニング
〇企業型確定拠出年金で積立投資

Eさん
〇確定申告
〇ねんきん定期便の見方
〇会社員と異なるフリーランスの保障やリタイアメント・プランニング
〇小規模企業共済、国民年金基金、iDeCoにおける掛け金の所得控除
〇iDeCoで積立投資

年齢的に老後のことが気になり始める世代ですし、頼れる次世代の人数が少ない「2040年問題」も議論されていることから、どんなリタイアメント・プランニングに取り組むべきかが、5人に共通の注目点になることは当然と思います。今後はおおむね65歳~70歳が最終的な退職年齢になるでしょうから、団塊ジュニア世代(当デジタルブックではアクティブミドル世代)は引退まで約20年という比較的長い時間を活用できるでしょう。

家計の見直しと共に、自身の状況に応じて企業型確定拠出年金やiDeCo、つみたてNISA(筆者注:2024年からは後述する新NISAも始まる)といった税制優遇のある制度で、積立投資を少額でも今から行うのが肝要であることがいずれの事例でも語られています。

また、5人に共通の切り口として「公的な給付制度が実はいろいろあるので、それらをきちんと理解しましょう、活用しましょう」という点もFPが強調している印象を受けました。国や自治体が準備している公的な社会保障制度を知ることは、将来の生活に関して漠然とした不安を引きずったままにしたり、過大に心配し過ぎて保険に入り過ぎたり、という苦境を避けるためにも極めて重要なことであり、家計の見直しの基本中の基本だと確信します。