次は京都市が危ないって本当?

自治体の財政破綻といえば、近年は京都市がよく注目されるようになりました。

京都市は将来の市債返済資金である「公債償還基金」の借り入れや取り崩しで収支の赤字を賄っています。このため、公債償還基金は本来あるべき残高から約823億円不足する事態に陥りました(2021年度予算時点)。京都市は2019年8月に公表した「行財政改革計画(2021-2025)」において、2024年度に公債償還基金が枯渇し、財政再生団体へ転落する試算を示しています。

【京都市の公債償還基金の残高】

京都市「行財政改革計画(2021-2025)」より著者作成

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先の行財政改革計画は、2021~2025年度で1630億円の財源を捻出し、公債償還基金の残高を1000億円以上に維持することを目指すものです。計画では社会福祉関連費などの歳出に上限を設けるほか、公共下水道事業への出資金の休止などが盛り込まれました。こうした取り組みもあり、京都市は2023年度予算において22年ぶりに収支の均衡を見込んでいます。