「ゼロコロナ」終了で感染が急拡大
2000年代以降に圧倒的な高成長を遂げた中国ですが、今年は失速が懸念されています。1月17日に発表された2022年の実質GDP成長率は年率3.0%と、政府目標の5.5%前後を大きく下回りました。これは1980~2020年で2番目に悪い数値で、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年を除けば最低です。
【中国実質GDP成長率ワースト5(1980年~2020年)】
・2020年:2.24%
・1990年:3.89%
・1989年:4.20%
・1981年:5.10%
・2019年:5.19%
出所:IMF World Economic Outlook Database(October 2022)
成長率が振るわなかった原因として、いわゆる「ゼロコロナ政策」で経済が停滞したこと、その解除が行われた12月以降は感染拡大により消費が冷え込んだことなどが指摘されています。
特にゼロコロナ政策の転換に伴う感染者数の拡大は爆発的で、報道によるとピーク時は1日あたり約700万人もの新規感染者が出たようです。日本のピークが約26万人(2022年8月19日)ですから、人口の違いを考慮してもかなりの数ということが分かります。
もっとも、中国では強力な行動制限が緩和されたことから、感染が落ち着けば他の国のように経済は再開に向かうかもしれません。