2022年はFRBの利上げに振り回された1年
2021年を最高値近辺で終わった米国株式市場は、連邦準備理事会(FRB)の利上げ懸念から下げ始め、ロシアのウクライナ侵攻を嫌気して、さらに下げ足を強めました。
その後、穀物、エネルギー価格の高騰、物流の停滞などから、インフレが予想以上に進み、FRBの利上げスピードが加速するとの懸念から、さらに下げが続き、2022年6月には、年初からS&P500が23.1%下落、ナスダック100指数に至っては30.8%の大幅下げとなりました。
それでもFRBは2022年6月以降4回連続で、通常の3倍にあたる0.75%の利上げを実施し、インフレ撲滅に強硬な姿勢を続けました。このFRBの強硬姿勢に市場はかなり痛めつけられた、というのが昨年1年の市場状況だったといえるでしょう。
●2022年 米国主要3株価指数
著者情報
尾藤 峰男
びとう みねお
びとうファイナンシャルサービス 代表取締役
米国CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員、1級FP技能士、日本FP協会CFP®認定者。1978年早稲田大学法学部を卒業後、日興証券(現SMBC日興証券)で投資アドバイスなど主要証券業務に携わる。英国、カナダ、豪州(現地法人社長)の3カ国に勤務。2000年にびとうファイナンシャルサービスを開業。金融機関から完全に独立した資産運用アドバイザーとして、個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニング・サービスを、商品の販売手数料によらずにフィー(投資助言料)のみで提供している。グローバルな投資理論や外国株投資、国際分散投資に精通。なお、2014年から6年連続、米国ネブラスカ州オマハで開催されたバークシャー・ハサウェイ株主総会に参加(2020年、21年はネット総会)、バフェット・ウォッチャーとしても知られている。著者に『バフェットの非常識な株主総会』などがある。
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