未公開株投資は節税できる?「エンジェル税制」をチェック

一般的には投資が難しい未公開株も、近年はクラウドファンディングなどを通じ投資できる環境が整ってきました。政府としてもベンチャー企業への投資を後押しするため、「エンジェル税制」という税の優遇を行っています。

【エンジェル税制の概要】

※1.2019年3月末までに指定を受けたベンチャー企業は最大1000万円、その他は最大800万円
※2.通算しきれない場合、最大3年間繰り越しできる。

出所:中小企業庁 エンジェル税制の仕組み
出所:国税庁 タックスアンサー No.1544 エンジェル税制の概要等

また、昨年12月に公表された与党の2023年度税制改正大綱には、ベンチャー企業を支援する新しい制度の創設が盛り込まれました。株式の売却益を原資に創業間もないベンチャー企業へ出資する場合、最大20億円まではその株式の売却益に税金を課さないとするものです。

ベンチャー企業は一般に、資金調達の場が少ないといわれています。上場すれば大きく資金を集められますが、上場のハードルはとても高く、創業から日の浅い多くの企業にとって現実的な手段ではありません。そこで国は、エンジェル税制などを創設し、上場前の段階でもベンチャー企業が資金調達しやすい環境を作ろうと考えています。

投資家にとっても、創業期から投資すれば大きな利益を得られる可能性があります。しかし未上場株は一般に、流動性の低さなどからリスクの高い投資先です。投資の際は気を付けて判断してください。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。