自分で探すなら地味でいいから実績のある「ロングセラー」を探すべき

昔は、出前のバイクと言えばホンダのスーパーカブでした。

発売されたのは1958年と、実に50年以上も世界中の人に乗られてきました。その数、累計6000万台以上。

決してモードなデザインではないですし、スピードもそれほど出ない。それにもかかわらず世界中で愛されているのは、安くて丈夫だから、の一言に尽きます。

世界中のバイクの中でもっとも燃費がいいと言われ、東南アジアの国では平気で5、6人乗りしていますが、壊れません。

投資信託でもそういった世間の荒波を乗り越えてきたロングセラーの商品を見つけられれば、資産運用の強力な味方になります。

新しいモデルの車やバイクはカッコいいし、性能もいい。しかし、流行はすぐに終わってしまうかもしれません。ロングセラーの商品は見た目だけではない、信頼できるだけの材料がそろっています。

独自に調査したところ、日本株を10年以上運用している投資信託で、TOPIXに年率3%以上勝っているファンドは、全体の5%以下でした。

10年前後の実績がないと、信用できる数字は取れません。

運用は多くの人が考えている以上に運の要素が大きく、幸運なファンドマネージャーと腕がいいファンドマネージャーを見分けるのは非常に難しい。

また、10年間は成績が良くても、ファンドマネージャーが交代していたら、そこから先は悪化する可能性もあります。

試しに楽天証券の投資信託のページで、「運用年数10年以上~」ならびに「ファンドスコア(運用実績がよいもの)10年の5つ星」で検索をかけてみてください。

約2700件の商品で該当するのは100件前後です。そこからさらに純資産100億円以上などの条件を加えると、半分以下に減ります。いかに長期間、いいパフォーマンスを保っているのは難しいのかがわかります。

投資信託に限らず、どんなロングセラー商品も、愛され続けるのには理由があります。そして、「考えない投資生活」を過ごしていくのなら、なぜ愛されているのか、その理由を知っておく必要もあるでしょう。

ファンドマネージャーの腕が良かったのか。投資対象の市場がたまたま好調だったのか。それとも継続的にパフォーマンスを向上させる仕組みがあるのか。それを知っておけば、安心してほったらかすことができるのです。

お金の不安から一生自由になれる考えない投資生活

 

福田 猛著
発行所 飛鳥新社
定価 1364円+税