インフレリスクに備えたポートフォリオの検証を

インフレリスクを軽減するためには、インフレに強い資産をポートフォリオに組み入れる必要があります。では、インフレに強い資産とは何でしょうか。

一般的に「金(GOLD)」はインフレに強いと言われますが、金利がまともな国においては、インフレが進めば金利が上昇するはずですから、配当などによるインカムゲインが期待できない金よりも、インカムゲインが期待できる債券などに資金が向かいます。つまり金価格は下がりやすくなります。実は金市場に追い風が吹くのは、穏やかなインフレ状態で、金利水準が低位安定している時なのです。そう考えると、インフレ期待で金に資金を振り向けるのは、得策とは言えません。

また債券は金利の上昇にともなって債券価格が下落するため、償還まで保有するという前提がない限り投資妙味はありませんし、前述したように現預金でポートフォリオを固めてしまうと、いざインフレが進んだ時に資産価値は目減りする一方になってしまいます。

このように消去法的に考えると、インフレに強いのは株式か不動産になります。では不動産はどうでしょうか。実物資産という観点からすれば、インフレで物価が上昇すれば、実物資産である不動産の価格も上がることになります。

ただ、不動産投資は資金力が必要ですし、株式に比べて流動性が各段に落ちます。こうした点から考えると株式、あるいは株式を組み入れた投資信託をポートフォリオに組み入れるのが、インフレリスクを軽減するうえでは一番リーズナブルな方法と考えられるのです。