REITとは

REIT(リート)とは、投資家から集めた資金で不動産に投資し、その賃料収入や不動産の売買益などを投資家に分配する金融商品で、一般に「不動産投資信託」と呼ばれている。投資家はREITを通じて間接的に各種不動産の所有者となり、不動産のプロによる運用の成果を享受できるのだ。REITは不動産に投資するが、法律上は投資信託の一種である。もともとREITは米国で生まれた仕組みで、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとって「REIT」と呼ばれている。また、日本では、Japanの「J」を頭につけて「J-REIT」と呼ばれている。REITは投資信託だが証券取引所に上場しており、2001年9月にJ-REITの第1号が上場された。

少額で始めるならREITファンド

「REITファンド」とは、複数のREITに分散投資して運用する投資信託のことである。複数の不動産に分散投資できるのがREITの魅力だが、その特徴をさらに高めたのがREITファンドといえるだろう。REITは実物不動産よりも少ない金額で投資できるが、最低でも数万円から数十万円といったまとまった資金が必要になる。しかし、REITファンドなら普通の投資信託のように、ネット証券などを利用すれば100円から購入可能だ。相対的に高い利回りの分配金が期待できるのもREITファンドの魅力といえる。不動産証券化協会によると、J-REITの平均予想分配金利回りは3.8%(2022年10月時点)。株式の平均配当利回り(2.41%)、10年国債利回り(0.25%)を上回っている。さらに、毎月分配型ファンドが多いので、毎月、安定的に分配金がもらえるのもメリットだろう。ただ、分配金の頻度や分配金利回りばかりに注目するのではなく、トータルリターンを確認することも大切になる。トータルリターンとは、分配金の実績に基準価額の騰落を加味して算出した投資信託の総合成績のことである。いくら分配金が多くても、そのファンドの実力以上に分配していると基準価額が下落し、トータルリターンがマイナスということもあるので注意が必要ではないだろうか。