2022年の公募投資信託の純資産残高は約5兆円減少
2022年の公募投資信託(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除く)の純資産残高は63兆9500億円となり、2021年から約5兆円減少した。外国株式型ファンドに4兆円以上の資金が流入したものの、米国を中心とした金融引き締めにより、株式や不動産投資信託(REIT)の価格が大きく下がり、ファンドの基準価額が下落したことが影響した。12月末時点における直近12カ月の分類別騰落率は、以下の通り。
1.その他(含むハイ・イールド債券) 2.9%
2.エマージング債券 -3.7%
3.REIT・日本 -4.7%
4.国内債券 -4.8%
5.国内株式 -5.9%
6.複合資産 -6.4%
7.外国債券 -6.8%
8.エマージング株式 -8.9%
9.外国株式 -9.8%
10.REIT・外国 -12.4%
パフォーマンスの悪化から、外国株式型のアクティブファンドは資金流出となったファンドが目立った。ただ、つみたてNISA対象のインデックスファンドには継続的に資金流入が続いており、2023年もインデックスファンドに資金流入が続く可能性は高いとみている。
2022年の資金流入額ランキング
公募投資信託(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除く)の2022年の流出入額は6兆5883億円の流入超過となり、3年連続で流入超となった。そして、分類別のトップ3は、以下の通り。
1.外国株式型 4兆1939億円
2.複合資産型 6551億円
3.国内株式型 6505億円
外国株式型ファンドへの流入は2021年を下回ったものの、過去2番目に大きい水準となり、3年連続で3兆円を超えた。個別ファンドで見ても、2022年資金流入額トップ10のうち、9つが外国株式型ファンドとなっている。2022年にもっとも資金流入額が多かったのは、外国株式型の低コストのインデックスファンド「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の約7364億円だった。1年間のリターンは-6.09%だったものの、高水準の資金流入が続き、純資産残高は1兆5980億円となった。同ファンドは、ネット証券を中心に少額投資非課税制度(つみたてNISA)を利用した買いが続いているので、2023年も高水準の資金流入が続く可能性は高い。純資産残高1位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の1兆6670億円との差を縮めてきており、2023年には「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が純資産残高トップになる可能性は高いとみている。
■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 1万8035円
信託報酬 0.0968%(年率・税込)
純資産残高 1兆5980.17億円
<騰落率>
1カ月 -6.9%
3カ月 -2.8%
6カ月 -1.5%
1年 -6.1%
※12月末時点