日本の不動産市場が警戒するのは金利上昇局面
「日本の不動産投資市場に対して、それぞれのトピックスが、今後どのような影響を及ぼすと思いますか」という設問に対して、ネガティブな影響が及ぶと考えられるトピックスとしては、「日銀による金融政策の変更」が75.2%。次いで「物価の高騰」が66.2%、「米国FRBによる金融政策の引き締め」が62.4%となりました。物価が高騰すれば金利は上昇するので、いずれにしても日本の不動産投資市場にとって、金利上昇が最もネガティブな要因であると、多くの投資家は考えているのが分かります。
ちなみに「コロナウイルスの感染状況」については、過半数である57.1%が「ニュートラル、若しくは影響は極僅か」というものでした。不動産投資市場にとっても、ウイズコロナが常態化しつつあるようです。
また、「不動産投資市場の今後の成長ファクターについてお答えください」に対する回答としては、「市場参加者の多様化(海外勢や公的年金・SWF等のさらなる参入)」が186ポイントで、トップでした。特に海外勢については、新興国と違って日本の場合、財産権が法律でしっかり守られること、治安が安全であることに加え、昨今では大きく進んだ円安によって、海外から見た日本の不動産価格が割安に見えることから、積極的に投資する動きがあります。
なお、「不動産投資市場の今後のリスク要因(但し、新型コロナウイルス感染症は除く)」としては、「金利の上昇」が圧倒的に多く、281ポイントでした。現状、日銀は金融緩和を継続する様子を見せていますが、これまでアベノミクスを金融面で支えてきた黒田日銀総裁の任期満了が来年4月に迫っており、新総裁が誰になるのかにもよりますが、金融緩和政策が修正される可能性も否定できません。それだけに当面、金利の動向からは目が離せなくなりそうです。