不動産投資の新規投資は「積極的」と過去最高水準で回答
商業店舗はまちまちです。都心型高級専門店は名古屋、京都、神戸が0.1ポイント低下していますが、東京銀座、札幌、仙台、大阪、広島、福岡は変わらず。郊外型ショッピングセンターは東京、札幌、福岡が0.1ポイントの低下で、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、広島は変わらずでした。
Aクラスビル、賃貸住宅一棟、商業店舗の期待利回りは、基本的にいずれもリーマンショック前の水準を下回っています。たとえばAクラスビルの東京(丸の内、大手町)は、リーマンショック前が3.8%だったのが、リーマンショックで一時的に4%台半ばまで上昇しましたが、直近では3.2%まで低下しました。つまり現在の期待感は、リーマンショック前に比べて高いことを意味しています。
賃貸住宅はワンルームタイプ、ファミリータイプとも、リーマンショック前の期待利回りが5%だったのが、現在はファミリータイプが3.9%、ワンルームタイプが4%ですし、商業施設は東京銀座の都心高級専門店が、リーマンショック前で4%だったのが直近は3.5%に低下。東京の郊外型ショッピングセンターは、リーマンショック前が5.5%だったのが、直近は5.2%まで低下しています。
物流施設の期待利回りは、東京江東地区で2011年4月が6%超だったのが、2022年10月には4%まで低下しました。この間、ECが大きく普及し、倉庫など物流施設に対するニーズが大きく高まったことがわかります。
また、宿泊特化型ホテルは、コロナ禍で宿泊客が大幅減になった2020年4月、10月と期待利回りが上昇しましたが、再び人流が戻ってきたことによって、東京、札幌、仙台、京都、福岡は、0.1ポイントの低下となりました。
全体的に不動産投資に対するスタンスは強気です。新規投資を積極的に行うという回答比は、2009年4月調査では45%まで低下しましたが、2022年10月には95%まで上昇しました。2020年4月はコロナ禍による先行き不透明感によって、新規投資を積極的に行うという回答比はやや低下しましたが、今は過去最高水準で推移しています。
ただ、市況感については過去4回の調査において、現在ならびに半年後を「ピークである」とする回答が最も多かったということです。つまり、ピークの状態が続いているわけですが、これが減退局面に移行するとしたら何が引き金になるのでしょうか。