S&P500種指数を対象にした注目ファンド

S&P500種指数を対象にした注目ファンドを3本紹介する。いずれも10月末時点における1年騰落率は約12%のプラスリターンとなっている。2022年10月末のS&P500種指数は3871.98ポイントと、2021年10月末の4605.38ポイントから約16%下落しているが、こられのファンドは円換算ベースのS&P500種指数を対象にしているので、円安・ドル高がプラスリターンに寄与しているのだ。

iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド

S&P500種指数を対象にしたインデックスファンドで信託報酬が一番低いのは「iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」である。同ファンドは、米国を代表する株価指数であるS&P500種指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドだ。低コストの理由は、投資にあたってブラックロック・グループが運用するETF(上場投資信託)を活用するからだ。ブラックロックは高いリスク管理と優れた運用能力により、世界最大(約896兆円)の運用資産残高を誇り、ETFも約3分の1のシェアを占めている。そして、ニューヨーク証券取引所に上場している「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」の経費率(信託報酬等)は、わずか0.03%にすぎない。このETFに投資することにより、低コストを実現しているのだ。純資産残高は約150億円(10月末時点)にすぎないものの、今後も純資産残高を増やしていく可能性は高いだろう。

■iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド
基準価額 3万8410円
信託報酬  0.058%(年率・税抜)
純資産残高 149.63億円


1カ月 9.68%
3カ月 5.82%
6カ月 7.77%
1年 11.60%

(10月末時点)

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

「SBI・Vシリーズ」は、世界最大級の運用会社であるバンガード社のETF(上場投資信託商品)に投資するインデックスファンドである。そして、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は、「バンガード・S&P500ETF」を通じて米国を代表する株価指数であるS&P500種指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指す。「バンガード・S&P500ETF」も「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」と同じように経費率(信託報酬等)が0.03%なので、低コストを実現しているのだ。SBIグループのモーニングスターによると、同ファンドは6月8日に純資産残高が6004億円となり、設定(2019年9月26日)から657営業日で6000億円を突破した。これは、米国株式に投資するインデックスファンドでは最速である。10月末時点の純資産残高は約7366億円と7000億円を超えている。「つみたてNISA」などを利用して定期積立している投資家も多く、今後も純資産残高を増やしていく可能性は高いだろう。

■SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
基準価額 1万8644円
信託報酬 0.058%(年率・税抜)
純資産残高 7366.57億円


1カ月 9.68%
3カ月 5.79%
6カ月 7.91%
1年 11.93%

(10月末時点)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、S&P500種指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。10月末時点における純資産残高は約1兆6449億円。これは、インデックスファンドの中で最大で、国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)の中でも2番目の大きさである。10月も約776億円の資金流入があり、高水準の資金流入が続いている。今後、2兆円の大台を突破するかどうかに注目だ。

■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 2万365円
信託報酬 0.088%(年率・税抜)
純資産残高 1兆6449.03億円


1カ月 9.8%
3カ月 5.9%
6カ月 8.0%
1年 12.1%

(10月末時点)