金融庁の発表によると、「つみたてNISA」の口座数が638万5158口座と過去最高となり(2022年6月末時点)、若年層を中心に積立投資への関心が高まっている。この記事では、つみたてNISAの対象となる投資信託について、年初からの資金流入額とリターン(2022年9月末時点)をもとにランキングを集計した。資金流入額上位は先進国を対象とする海外株式型ファンドが占め、ネット証券を中心に人気を集めている低コストファンドが目立っている。
つみたてNISAの利用は40代以下で7割以上
つみたてNISAは、長期の積み立て投資を支援するための非課税制度だ。金融庁が定める基準を満たした投資信託や上場投資信託(ETF)に年間40万円まで積み立てることができ、購入した年から20年間は運用益(配当や売却益)に対する税金がかからない。
2022年10月末時点における対象ファンド本数は、以下の通り。
・インデックスファンド 185本
・アクティブファンド 24本
・ETF(上場投資信託)7本
口座数を年代別に見ると、2022年6月末時点で30代が183万9965口座と最も多く、ついで40代の158万4079口座となっている。そして、20代から40代が全体の73.2%を占めている。少額から始められる「つみたてNISA」は、現役世代にとって長期的な資産形成に活用しやすいからだ。
つみたてNISAの買付金額は6月末時点で2兆1055億781万円となっており、3月末から16.7%増加している。今後もつみたてNISAの利用が増えていく可能性は高いだろう。
また、価格変動の大きい海外株式型ファンドの人気が高いが、つみたてNISAを利用した積立投資では、価格が下がれば購入口数が多くなり、価格が上がれば購入口数が少なくなる「ドル・コスト平均法」によって、購入単価を平準化できる。価格変動が大きい海外株式型ファンドを積立投資していくことは、理にかなった投資手法といえるだろう。