目標は顧客数1000万人。金融の恩恵をすべての人たちへ

では、これからレオス・キャピタルワークスはどういう世界を目指していくのか、最後にふれておきたいと思います。

現在、私たちのファンドを購入して下さっているお客さまは120万人。毎月、積立投資だけで100億円の資金が入ってくるところまで来ているのですが、金額はともかくとして、とりあえずお客さまの数を1000万人にしたいと考えています。

1000万人というと、何か途方もない人数のように思えるでしょう。でも、決してそんなことはありません。人口が減少しているとはいっても、この日本にはまだ1億人超の人が生活しています。仮にレオス・キャピタルワークスのお客さまが1000万人になったとしても、それでもまだ日本には9000万人超の人が、私たちの運用するファンドにアクセスできていないことになります。出来る事なら、日本のすべての人に私たちのファンドを持っていただきたいという願いはありますが、まずはその第一歩として、1000万人を目指します。

もちろん、1000万人を達成するのは大変なことだと思います。それを実現するためには、さまざまなリスク許容度、ニーズを持つ大勢の人たちにリーチしていかなければなりません。だからこそ、これまでは「ひふみ投信」、「ひふみプラス」という、日本株ファンドの一本足打法だったのを、グローバル株式で運用する「ひふみワールド」、そして国内外の株式や債券で運用するバランス型の「まるごとひふみ」、「ひふみらいと」へとラインナップを広げたのです。

おかげさまで、いずれのファンドも順調に資金が集まってきています。私たちは今、「ファイナンシャル・インクルージョン」を合言葉にして、日々の業務を行っています。ファイナンシャル・インクルージョンとは、「金融包摂」などと訳されます。つまり適切なコストで、全ての人々が、信用や貯蓄、決済、送金、保険といった基本的な金融取引にアクセスできること、とでも言えば良いでしょうか。つまり金融の持つ利便性や魅力が、世界中の隅々に行き渡ることです。

これまで金融は、一部の資本家のためのものだったと思います。お金持ちだけが金融の利便性にアクセスでき、それによってさらに富を増やすことができる。そういう装置だったわけですが、私たちはこの恩恵をすべての人たちに届けたいと考えています。

それは、恐らく一部の富裕層をさらに富ませることよりも、富裕層以外の人たちが持っている10万円の貯蓄を15万円に増やした方が、世の中にとってより良いインパクトになると思っているからです。私たちのファンドを購入して下さるお客さまの数を1000万人にするというのは、そのための第一歩なのです。