他の先進諸国と比べてみると……

同リサーチではOECD諸国との比較も実施していて、知識面と行動面の両面から分析しています。

まず知識面ではOECD諸国の平均正答率が62.7%であるのに対して、日本人の正答率は62.5%とほぼ同じになっています。アメリカ人との比較と同様、日本人の金融リテラシーが特段劣っているわけではないのです。また、行動面についても日本人の正答率が66.7%なのに対して、OECD諸国の平均正答率は66.6%であり、ほぼ変わりません。

しかし、細かく見ていくと、知識面では日本人は「インフレ」や「分散投資」に対する理解度が相対的に低く、「金利」や「複利」への理解度が相対的に高くなっています。行動面では「支払期限の遵守」への正答率は高いものの、「お金への注意」はOECD諸国の平均正答率を大きく下回っています。

つまり、借りたものを返すという当たり前のことについてのコミットメントは高いものの、お金の使い方や手数料等については注意を払っていないというのが、同リサーチにおける日本人の平均像というわけです。この結果は、今の日本人の現状を適切に表していると私は思います。