20歳で結婚宣言、相手は32歳の司法修習生

何となくギクシャクした妹との関係は、その後もしばらく続きました。父親は相変わらず忙しく働いていましたが、たまには連絡を取って近況などを聞いていたようです。佐々木さんが妹と再会したのは、妹が20歳になり成人のお祝いをした時でした。

「それまでどこで何をしているのかもよく知りませんでしたが、その時に、妹から結婚する予定だと初めて聞かされました。成人になって早々、結婚するなんてことにも驚きましたが、もっと驚いたのは、相手が司法修習生だということでした」

相手の男性は当時32歳だったそうです。まだ20歳になったばかりの妹。いきなり飛び出した結婚話。大きすぎる年の差――。喉元まで出かかった反対の言葉を、佐々木さんは必死にのみ込みました。

「ここでまた口出ししてしまったら、いよいよ妹との関係は壊れてしまうと思ったのです。一応、自分も干渉的だったことを反省していましたし、それこそもう大人なのだから、妹の決断を尊重しようと思いました」

その後、妹の夫は弁護士になり、都心に家を買って裕福な暮らしをするようになったといいます。数年後には妹夫婦に子どもが生まれ、その同じ年に佐々木さんも結婚しました。初孫の誕生と同居する長男の結婚が重なり、父親は大層喜んでいたようです。

佐々木さんにも娘が生まれると、年に数回は集まって食事を共にするなど妹家族と交流するようにもなりました。「やっと妹ともきちんと話ができるようになった」と当時を懐かしむ佐々木さん。まさか、妹との関係に再び大きな亀裂が生じるとは夢にも思っていませんでした。それも、修復不可能なほどに。

2年前、父親の死により発生した「地獄のような」相続争い。きっかけは、父親の生命保険の受取人が妹に指定されていたことでした。

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