バイオ・創薬関連銘柄の注意点

話を現在に戻しましょう。アキュセラ・インクは現在、「窪田製薬ホールディングス」として上場しています。しかし業績は思わしくなく、直近の2021年12月期では売上高がなく、2022年12月期(予想)においても売り上げの見通しが立っていません。

【窪田製薬ホールディングスの業績】

※2022年12月期(予想)は第2四半期時点における同社の予想

出所:窪田製薬ホールディングス 決算短信より

【窪田製薬ホールディングスの株価(2022年1月4日~11月7日)】

Investing.comより著者作成

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窪田製薬ホールディングスに限らず、新薬の開発を目指す企業は業績が安定しないことが少なくありません。また市場の期待も集まりやすいため、株価の変動も大きくなりがちです。時価総額が比較的小さい中小型の銘柄ほど、その傾向にあります。特定の銘柄に資金を集中させると、リスクが大きくなりやすいため注意してください。

資金的な課題から銘柄の分散が難しい場合、投資信託を活用してはいかがでしょうか。複数の銘柄で構成されているため、投資信託を1つ買えば分散投資が可能です。例えば「グローバルXバイオ&メドテック日本株式ETF」は、以下のような銘柄に投資しています。

【「グローバルXバイオ&メドテック日本株式ETF」が投資する上位10銘柄】
1.オリンパス:8.50%
2.エムスリー:8.08%
3.テルモ:8.06%
4.シスメックス:7.22%
5.第一三共:7.09%
6.島津製作所:7.06%
7.朝日インテック:6.43%
8.武田薬品:5.99%
9.メディパルホールディングス:4.28%
10.アステラス製薬:3.62%
※2022年9月末時点

出所:グローバルXバイオ&メドテック日本株式ETF ファクトシート

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。