被害者はまた狙われる? 注意したい「詐欺の二次被害」

エル・アンド・ジー事件の裁判が終わり、首謀者の実刑をもって事件は終結しました。しかし、残念ながら被害者の救済には至っていません。報道によると、被害額およそ1285億円に対し、破産管財人と被害者弁護団が回収できた金額は約2億5000万円にとどまりました。回収率は0.2%未満にすぎず、被害者の多くは泣き寝入りを強いられたことでしょう。

悪いことに、被害者はさらに別の詐欺師に狙われます。被害者の元に裁判所や破産管財人などをかたった書面が届いたのです。内容は、被害者に債務の返還手続きに必要と称して個人情報を提出させるものや、着手金の名目で金銭を要求する悪質なものでした。エル・アンド・ジーのケースでは本当に破産管財人などから正規の書面が送られる被害者もいたため、見極めは困難だったと思われます。

このように、詐欺に遭った被害者の心理に付け込み、「お金を取り戻せる」などと称して詐欺師が近づいてくるケースは少なくありません。犯人によって被害に遭った人がリスト化され、別の犯罪者へ渡る可能性もあります。

「一度被害に遭ったからもうだまされないだろう」と油断せず、甘い言葉で近づく人物には注意するようにしましょう。