・逮捕騒動から復活“金儲け”継続の「村上ファンド」村上氏に強制調査

2007年11月26日、独自の疑似通貨を使った詐欺などを働いた「エル・アンド・ジー」が破産します。被害者は全国に約3万7000人、被害額は1200億円を超えました。

エル・アンド・ジーの詐欺とはどのようなものだったのでしょうか。概要を押さえましょう。また、近年被害が懸念される「合同会社における社員権の販売」についても紹介します。

3つの詐欺を組織的に実施

エル・アンド・ジーは主に以下3つの商品を使い詐欺を働きました。いずれも高利回りをうたった商品で、セミナーやコンサートなどを開催し多額の資金を集めます。

【エル・アンド・ジーが行った主な詐欺】

出所:消費者庁 破産手続が開始された近年の詐欺的な大型消費者被害について

特にエル・アンド・ジーが詐欺に用いた疑似通貨「円天」は、購入すると毎年同額の円天を受け取れると称し、「使っても減らないお金」といううたい文句で広く募集したことから被害が拡大しました。

しかし、当然それだけの高利回りを維持できるはずもなく、2007年ごろからエル・アンド・ジーは徐々に約束した支払いができなくなります。同年9月には円天による支払いも停止されました。

2007年10月に東京都がエル・アンド・ジーに立ち入り調査を実施すると、国民生活センターへの相談が殺到します。立ち上がった被害者弁護団が10月31日にエル・アンド・ジーの破産手続きの開始を申し立て、翌月に破産となりました。

詐欺を主導したエル・アンド・ジーの元代表者は逮捕され、東京地裁から2010年3月に組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪で懲役18年の判決を受けます。元代表者は控訴しますが、東京高裁は2011年2月に一審の判決を支持する判決を下しました。さらに2012年1月に最高裁が元代表者の上告を棄却したため、罪が確定します。