全国を回り積立投資を啓発。「ひふみプラス」の拡大でレオス社長にも復帰

当社が直接販売をする「ひふみ投信」を設定・運用してから3年と8カ月くらいが過ぎた時、金融機関での販売用ファンドとして2012年に「ひふみプラス」を設定しました。

このファンドはファミリーファンドといって、ひふみ投信マザーファンド受益証券に投資することによって、ひふみ投信と同じ運用成績を実現するようにつくられています。「ひふみ投信」は、レオス・キャピタルワークスの直販でしか購入できませんが、その良さをもっと大勢の個人に知っていただくためには、日本にたくさんある証券会社、銀行などの金融機関を通じて購入できるようにした方がいいだろうという判断もあり、公開販売用ファンドとして新規設定したのです。

そうはいっても、いきなりたくさんのお金が集まるわけではありません。でも、草食投資隊として日本全国を回っていたことが功を奏して、福岡銀行や秋田銀行などの地方銀行が、ポツポツとひふみプラスを取り扱ってくれるようになりました。私がずっと説いてきた、積立投資の素晴らしさが、ジワジワとではありましたが、少しずつ世の中の理解を得て、着実に広がっていることを実感しました。こうして、ひふみ投信とひふみプラスを合わせた純資産総額が1000億円を超えて、ようやく事業が黒字化していきました。

倒産の危機を乗り越えレオス・キャピタルワークスの代表に返り咲いた藤野氏

そして、純資産総額が2000億円に達した2015年、私はレオス・キャピタルワークスの代表に返り咲くことができました。自分自身の経営判断の甘さから、一時は倒産寸前まで追い込まれ、その責任を取って社長から降りたのですが、販売金融機関、社員、そして何よりもファンドを支えて下さった投資家の皆さまのお陰で、社長に返り咲くことができたのです。