最低投資額830万円! 投資の高い壁「単元株制度」

ファーストリテイリングの業績を見ると「ぜひ投資したい!」と考える人は少なくないでしょう。しかし、ファーストリテイリング株式への投資は、最低投資額の高さがハードルの高さとして知られています。

東証は100株を1つの単位として売買する「単元株制度」を採用しています。つまり、最低でも100株は購入する必要があり、株数を増やす場合も100株、200株……のように100株刻みで調整しなければいけません。

このため、ファーストリテイリングのような株価が大きい銘柄(値がさ株)は、最低投資額が大きくなりやすいデメリットがあります。ファーストリテイリング株式の2022年10月25日の終値は8万3040円ですから、少なくとも830.4万円を用意しないと投資することができません。

【1単元(100株)の金額が大きい銘柄の例】
1.ファーストリテイリング:830.4万円
2.SMC:588.4万円
3.キーエンス:503.0万円
4.東京エレクトロン:394.5万円
5.ベイカレント・コンサルティング:382.5万円
※2022年10月25日終値時点

出所:ヤフーファイナンスより

単元株制度は、「貯蓄から投資へ」の流れを妨げるとしてよく批判されます。例えばアメリカ株式は基本的に1株単位の売買が可能で、株価が大きい銘柄にも比較的投資しやすい傾向にあります。

ただし、東証は1単元の金額が5~50万円になるよう上場企業に努力義務を課しており、ファーストリテイリングのように最低投資額が数百万円にも上る銘柄は多くありません。日本取引所グループによると、東証に上場する銘柄の95.1%は50万円未満の金額で投資可能です(2022年9月末時点)。

【有価証券上場規程445条「望ましい投資単位の水準への移行及び維持に係る努力等」】
上場内国会社は、上場内国株券の投資単位が5万円以上50万円未満となるよう、当該水準への移行及びその維持に努めるものとする。

引用:日本取引所グループ 有価証券上場規程(東京証券取引所)

【1単元(100株)金額の分布状況(2022年9月末時点)】

日本取引所グループより著者作成

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