鈴本さんはどうすればよかったのか
今回のようなトラブルが発生しないために、鈴本さんたちはどのように対応すればよかったのでしょうか?
生前に遺言書を作成しておくべき
鈴本さんの父親が生きているときに、父親が遺言書を作成しておくべきでした。遺言書があれば、遺言書の内容に従って遺産分割されるので、鈴本さんたちが話をしてもめることもなかったのです。
遺言書に遺産目録をつけておけばどのような遺産があるのか明らかになるので、「預金を隠しているのではないか?」などと疑心暗鬼になるトラブルも避けられます。
遺留分にも注意が必要
遺言書を作成するときには、遺留分にも注意しなければなりません。遺留分とは兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限度の遺産取得割合です。遺言書で遺留分を侵害すると、遺留分権利者が侵害者へ「遺留分侵害額請求」を行ってかえってトラブルにつながってしまいます。遺言書で財産を残すときには、最低限遺留分権利者には遺留分に相当する金額の遺産を分け与えるのがよいでしょう。
早期に弁護士へ相談
遺産相続でトラブルになったら、早めに弁護士へ相談するようお勧めします。弁護士から法律的なアドバイスを受けられたら、全員が納得して遺産相続を進めやすくなります。どうしても自分たちだけで解決できない場合には弁護士に代理交渉などを依頼できます。
遺産相続がトラブルになると、遺産を受け取れても多大な労力や時間がかかってほとほと疲れてしまうものです。そうなる前に生前から対策を練っておきましょう。遺言書の書き方が分からない場合、弁護士や行政書士などの専門家に相談してみてください。
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