鈴本さん(仮名、50代男性)は3人兄弟の末っ子で、上には兄が2人います。母親はすでに他界しており、長兄が高齢の父親と同居している状態でした。

ある日、父親が急死し、遺産が6000万円あることが分かりました。鈴本さんは単純計算で3分の1が自分に入ってくると思いましたが、長兄が同居して献身的に介護してきたことなどを理由に全財産の相続を主張。それはおかしいと次兄と共に反発しますが、次兄は次兄で多額の生前贈与を受けていました。

鈴本さん兄弟の遺産分割協議は紛糾。議論は平行線で全く話ができなくなってしまい……。

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ついに遺産分割調停や審判へ

鈴本さんは「このままでは遺産を受け取れない」と危惧し、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てました。

調停では調停委員が鈴本さんたち兄弟の意見を調整しようと努力してくれましたが、対立が激しすぎて調整はできませんでした。結局調停は不成立になって審判になり、裁判官が遺産分割の方法を指定しました。

結果として鈴本さんは1000万円ほどの遺産を受け取ることができました。ただ当初は2000万円受け取れると思っていたのに半額しかもらえなかったので、鈴本さんとしては納得できないというのが正直なところでした。