お葬式の状況

経済産業省が実施している特定サービス産業動態統計調査によると、2000年時点では葬儀業が扱った葬儀の件数は18万1733件でしたが、その後増加が続き、2021年には45万8399件となっています。売上高を葬儀の件数で割ると、2008年ごろまでは1件あたり150万円前後ですが、その後は減少が続き、2021年には約110万円となっています。粗い計算ではありますが、お葬式が小規模化していて、コロナ禍がそれに拍車を掛けているという解釈はできそうです。また、事業所の数は2000年の553件から2021年の2692件に大きく増えており、従業者数も増えています。競争が激しくなり、低価格化が進んでいるという解釈もできそうです。

ちなみに同じ調査で結婚式場についても調べています。件数はコロナ禍によって大きな落ち込みを見せていますが、1件当たりの売上高は280万円前後で比較的安定しています(2015年から2021年のデータ)。

葬儀の種類については、いろいろな呼び方がありますが、大手の事業者である公益社の情報を参考にすると、一般葬儀、社葬・合同葬、家族葬、密葬、一日葬、直葬といったものがあります。

一般葬儀は遺族・親族、その他の友人や関係者、地域の人が参加する形で、家族葬はごく親しい人や家族だけで行う小規模な一般葬儀を指しています。近年は地域の人や親族とのお付き合いが減っているので、この家族葬が増えているそうです。また、通夜や葬儀、告別式を省略し、火葬のみを行う直葬という形式もあり、費用は最も安くなります。

葬儀に関しては特に法的な決まり事はなく、親族や地域の慣例を踏襲して行われてきましたが、ライフスタイルが多様化し、生まれ育った場所ではないところで亡くなることも増えているので、「どうするか」を毎回決めなければならないのはお墓と同じ傾向だといえます。

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