利上げの影響は償還までの期間が長い債券ほど大きい

ここまで債券と金利の関係について解説してきた。特に償還までの期間が長い債券を購入する際は、あらかじめ利回りを計算したい。

たとえば、額面価格100円・利率2%の債券を90円で購入した場合、償還までの期間が2年だと利回りが約13.3%になるのに対し、償還まで5年かかる債券の利回りは約4.4%まで低下する。

このように償還期間が長くなるほど、金利上昇時の債券の利回りは低下するのだ。

償還期間や利回りの決まっている債券は、株式と比べて低リスクの商品とされている。また、日本銀行は今のところ大規模な金融緩和を継続しており、金利が上がる見込みは当分ないと考えられる。ポートフォリオに債券を組み込むことで、運用資産全体のリスクを抑える効果も期待できるだろう。

しかし、日本国内でもインフレが過度に進行した場合には政策金利のメスが入る可能性もあるだろう。長期国債などを購入する際は、今後の日本銀行の動向を慎重に判断したい。

文/中曽根 茜(ペロンパワークス)