「老後の備えは自分で作らなくてはいけない」そんな危機感がコロナ禍でさらに膨らみ、投資を始める人が増えている。しかし、そうはいっても奥深いのが投資の世界。慣れれば慣れるほど疑問や不測の事態に直面することも増えてくる。
そこで、この連載では「資産形成3年目だからこそ知りたい」用語や投資情報を解説する。第10回は「債券と金利の関係」について。一般的に、金利が上がると債券価格は下がるとされているが、その仕組みは何なのか。市場金利の種類についても解説する。
債券は国や企業が発行する「借用証明書」
改めて、債券とは国や企業などが投資家からお金を借りるために発行する有価証券の一種だ。お金を借りた側(発行体)が残す「借用証明書」ともいえる。
債券にはいくつか種類があるが、一般的には、決められた利息を定期的に受け取れる固定金利の利付債を指すことが多い。本記事でも固定金利の利付債を前提に解説していく。
利息の仕組みは株式の配当に似ているが、発行体が解散や倒産しない限りあらかじめ決められた額が支払われる点が配当とは異なる。また、一般的に債券には償還日が定められており、償還日を迎えると額面金額が保有者に払い戻される。
債券が株式より低リスクな資産であると考えられているのは、この特徴のためだ。
ちなみに、2022年9月の国債の金利は年0.05〜0.16%※1。メガバンクの定期預金の金利である年0.002%と比較すると、高い水準であるといえる。
※1 財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」参照