証券会社の役割
ところで、証券会社にはどのような役割があるのでしょうか。1つには企業の上場をサポートするという役割があります。
自社を上場させる場合、まずは社内整備を進めなければいけません。上場企業となるためには取引所の審査を受ける必要がありますが、審査にはさまざまな基準があり、未上場企業は基準を満たしていないことが一般的です。そこで、上場に向けて基準に適合するよう社内を整備する必要がありますが、証券会社はそのサポートを行います。
この一連のサポートを行う証券会社を「主幹事証券会社」といい、投資家の募集をしてもらったり、上場後の管理をしてもらったりと、上場企業にとって何かとお世話になることが多くなります。
ただし、証券会社のこのような業務を「引受業務」といいますが、中堅の証券会社やネット証券では引受業務を行わないことも珍しくありません。この点を踏まえると、証券会社の役割は株式注文の取り次ぎや金融商品の販売にあるといえるでしょう。
証券会社は株式注文を取引所に取り次いだり自社が取引の相手方となったりして、顧客の注文が成立するよう働きかけます。また株式に限らず、債券や投資信託といった金融商品を幅広く販売します。取扱商品に差はあるものの、これらの業務は多くの証券会社が行っています。証券会社は金融商品を扱う百貨店というイメージが近いかもしれません。
しかし株式や債券を発行する企業などから見ると、証券会社は資金調達のサポート機関にも映ります。証券会社は、資産を運用したい人と資金を調達したい人をつなぐ重要な役割を果たしているのです。