罰金あり! 裁判員に選ばれたときの注意点
裁判員でいる間は、自分が裁判員に選ばれたことを公にしてはいけません。SNSなどで明かすような行為は控えましょう。しかし日常生活の中で家族などに話すことは大丈夫です。また休暇の申請などに際し、上司や同僚に話すことも禁止されていません。裁判員を終えた後は、自分が裁判員に選ばれたことや、裁判員に参加した経験や感想などを話すことは可能です。
ただし「評議の秘密」と「その他の職務上知り得た秘密」は守秘義務が課せられていることから、裁判員を終えても周囲に明かすことは許されていません。前者は多数決の内容といった結論に至る過程など、後者は被害者のプライバシー情報などが該当します。これらの守秘義務に違反すると、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があるため注意してください。
【裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第108条(裁判員等による秘密漏示罪)(一部抜粋)】
1.裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2.裁判員又は補充裁判員の職にあった者が次の各号のいずれかに該当するときも、前項と同様とする。
一.職務上知り得た秘密(評議の秘密を除く。)を漏らしたとき。
二.評議の秘密のうち構成裁判官及び裁判員が行う評議又は構成裁判官のみが行う評議であって裁判員の傍聴が許されたもののそれぞれの裁判官若しくは裁判員の意見又はその多少の数を漏らしたとき。
三.財産上の利益その他の利益を得る目的で、評議の秘密(前号に規定するものを除く。)を漏らしたとき。
3.前項第三号の場合を除き、裁判員又は補充裁判員の職にあった者が、評議の秘密(同項第二号に規定するものを除く。)を漏らしたときは、五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-GOV法令検索 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
他にも、裁判員に選任される際の手続きで虚偽を伝えた場合や、理由なく裁判員となることを拒んだ場合などでは、罰金や過料が科せられる可能性が否定できません。裁判員に選ばれたらこれらの制約に注意して臨みましょう。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。