エンディングノートや遺言を書き上げた人はわずか

ここからは、日本総合研究所が2020年4月に出した調査研究報告書(※)から、全国の50歳以上の男女3224人に行った、いざというとき(入院など)の備えをどの程度行っているかに関するインターネット調査の結果をいくつか紹介します。

※公的介護保険サービスにおける身元保証等に関する調査研究事業

まず、エンディングノートを書いたことがあるかという質問に対して、「書き上げた」と回答したのは全体のわずか3.7%の人でした。「書いている」とした人も8.0%、「持っているが書いていない」人が13.2%で、「知っているが持っていない」人が全体の65.8%と圧倒的多数を占めていました。70代以上になると、やや、エンディングノートを持っている、書いている人の割合は増えますが、やはり「知っているが持っていない」人が大勢を占めます。

女性の方が男性よりも書いている割合が高いのですが、特に配偶者と死別した人は、既婚、離別、未婚の人と比べて、男女ともにエンディングノートを書いている割合が高いのです。

配偶者の死を通して、エンディングノートに含まれる情報の重要さに気付かされたり、これからのことを考えたりするきっかけを得たと考えられます。

また、遺言書(公正証書遺言、自筆証書遺言のいずれか)を作成した人は全体の6.6%でした。年齢が上がるにつれて作成した人の割合は増えますが、それでも多いとはいえません。