増やしたお金はどう使う?積立投資の資産売却のあり方
ニッセイ基礎研究所金融研究部の熊紫云研究員のレポート、「老後のための資産形成で、いつどのようにリスクを落としたら良いのか?」は、資産運用の出口戦略を考えるにあたって、とても参考になります。ニッセイ基礎研究所のホームページから簡単にアクセスできるので、実際に積立投資をしている人は、目を通しておくと良いでしょう。
同レポートでも指摘しているように、公的年金だけで老後を安心して生活するのが困難になるなかで、個々人が資産形成をする必要性に迫られています。
ところが、昨今は金利水準があまりにも低いため、投資信託や株式などのリスク資産を組み入れて運用するのが望ましいとされています。
国がiDeCoをはじめとする確定拠出年金やNISAなどの非課税投資制度を整備し、個々人にそれらの利用を促しているのは、「より豊かな老後を送りたいのであれば、公的年金のみに頼るのではなく、自分自身で積極的に資産形成をして下さいね」という、国からのメッセージであると考えるべきでしょう。
実際、個人がリスク資産を活用しながら資産形成をするためのインフラは、かなり整ってきました。前述の非課税制度はもちろんのこと、長期・積立・分散投資に適した投資信託のラインナップも、増えています。あるいは、資産形成に必要な情報提供も、昔に比べると大分充実してきました。
ただ、ひとつだけ大きな問題があります。それは、「いつ買うのか」、「何を買うのか」に関する情報はたくさんあるのですが、「どうやって増やしたお金を受け取っていけば良いのか」という情報については、まだまだ不十分であるということです。