収入のパイプラインを増やし、本気で資産形成を目指す選択も

よく言われているのは、運用を継続しながら定率で解約していくというものです。毎月3万円というように定額で引き出すのに比べ、たとえば毎月3%ずつ定率で引き出せば、マーケットが下がって資産価値が目減りした時は引き出せる金額が少なくなるため、その分だけ資産寿命が先延ばしできる」という考え方です。

それもひとつの考え方です。すでに資産形成するには年齢的に遅い人が、それでも何とか資産形成をして、少しでも老後資金を増やしておきたいという場合は、「運用しながら定率で引き出す」くらいしか、取りうる対策はないでしょう。50代、60代になって資産形成を考えても、すでに時は遅いのです。

でも、これから資産形成をする年齢が若い人、特に20代から30代前半の人は、運用するだけでなく、「稼ぐ」ことを合わせた車の両輪をフルに動かして、資産形成することを心がけるべきです。近年は副業を公認する企業が増えていますし、インターネットを使って隙間時間に働くことも可能になってきました。

会社から受け取る給料以外にも収入のパイプラインを増やし、そこから得た収入を全額資産形成に回していくのです。

月2万円ではなく、月10万円を積立投資に回すつもりで稼ぐ。65歳で2000万円を目標にするのではなく、1億円を目指して資産形成をすれば、多少、最後の1か月間や1年間でマーケットが下げたとしても、それなりの金額が手元に残ります。

限られた収入の範囲で資産形成をしても、資産は大きく増えません。本気で資産形成をするならば、運用と同時に収入というパイを増やす方法も考えることが大事なのです。収入のパイプラインを増やして、より多くの資金を運用に回して資産を増やせば、細かい出口戦略を考えなくても、老後の資産は十二分に確保できる可能性が高まるはずなのです。