人生100年時代に向けてiDeCoを活用しよう!
最近は徐々に認知度が上がってきましたが、それでもiDeCoに加入している人は少数派です。加入対象者のうち、iDeCoを利用しているのは会社員で4%程度、自営業・フリーランスは約3%にすぎません(2021年6月現在時点、自営業は免除・猶予者除く)。
これは本当にもったいない話です。公的年金不安からやみくもに節約に走ったり、金融機関で“年金向け”とすすめられる保険商品を購入したり、焦って株やFX(外国為替証拠金取引)の短期取引で儲けようと考えたり――といったことをする前に、まずはこうした制度を知って活用してほしいと感じます。税制上の優遇がある制度というと、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、老後に向けた資産形成が目的であれば、多くの人はiDeCoが第一候補になります。
より多くの人が利用できるように、2022年からiDeCoはさらに進化します。具体的には
・加入できる年齢がのびる(60歳未満→65歳未満)
・受け取り方の選択肢が広がる(運用継続70歳→75歳になるまで)
・企業型DC加入者は原則iDeCoに加入できるようになる
などです。とくに21年3月末時点で約750万人いる企業型DC加入者がiDeCoにも同時に加入できるようになるのはインパクトが大きいですね。このほか、企業年金のある会社員は掛金の上限額なども変わります。
しくみから活用法、金融機関選びまで丁寧に解説
本書はiDeCoの基本的なしくみからメリットや留意点、商品を選ぶポイントや活用法、金融機関の選び方までを網羅しています。もっとも、「初歩の初歩から制度を理解したい」という人もいれば、「金融機関選びで迷っている」、あるいは「どのように活用したらよいか知りたい」という人もいるでしょう。第1章から順番に読み進めて知識を深めていくこともできますし、興味があることや知りたいことをまとめた章から読むこともできます。自分なりの使い方で、とことん活用していただきたいと思います。