それでは、本書の中身について簡単にご紹介していきます。

まず第1章「iDeCoってなに?」では、iDeCoのしくみについてわかりやすく解説します。iDeCoの加入を検討している方は、ぜひ第1章からお読みください。制度の概要や特徴、7つのタイプ(会社員か自営業か、専業主婦かなど)によって掛金の上限額が異なるといった基本的なルールが理解できます。また、加入可能年齢の拡大、受給開始時期の選択肢の拡大、企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和といった変更点についても説明していますので、すでに加入している方にも参考になるはずです。

第2章「iDeCoのおトクな税制メリットを賢く使う!」では、税制上の優遇について解説します。iDeCoでは、「掛金を払うとき」「運用している間」「運用してきたお金を受け取るとき」のそれぞれの段階で、税制上の優遇措置があります。掛金を払うときの節税効果、運用している間の非課税の効果について詳しくみていきます。

第3章「iDeCoをこう活用する」では、iDeCoの制度的な特徴を踏まえたうえで、商品をどう選択し、どう運用していけばよいかを考えていきます。iDeCoだけでなく、企業型DCに加入している方にとっても参考になるはずです。

第4章「金融機関はどう選べばいいの?」では、金融機関を選ぶときのポイントを解説します。iDeCoは1人ひとつしか口座を開設することができません。加入時にしっかりと選択したいものです。新たにiDeCoに加入する人はもちろん、「離職や転職で企業型DCからiDeCoに資産を移す必要がある」という方にも役立つ内容となっています。

第5章「運用してきたお金をどう受け取るか」では、受け取り(「給付」といいます)の方法について考えていきます。税の優遇はあるものの、積み上げてきた資産を受け取る時は原則課税です。そのため、退職一時金、ほかの企業年金などを併せて考えることが大切。トータルで受け取る金額は同じでも、受け取る順番や受け取り方次第で、トクすることもあれば、逆に損することもあるからです。受取時のルールをしっかり押さえておきましょう。

そして、最後の第6章「iDeCoについてのQ&A」では口座開設から取引まで、Q&A形式でiDeCoの疑問にお答えします。定期的にセミナーでお話をする機会がありますが、その中で多く寄せられる質問を盛り込みました。