日本は災害が多く、全国で台風、地震、大雨や土石流被害などさまざまな天災が生じています。

こうした天災に乗じて悪質商法がまん延するケースも多いので、被災地域の方は注意しなければなりません。特に最近「自己負担なしで家を修繕できる」などの甘い話で被災者に近づいてくる業者が問題となっています。実際には無料にならず、予想外に高額な請求をされるケースが多数です。

今回は災害時の詐欺や悪質商法について、佐藤さん(仮名、50代男性)の事例をもとに学びましょう。

佐藤さん(50代男性、自営業)のケース

佐藤さんは妻と大学生の息子、高校生の娘の4人暮らしです。家は父から引き継いだ物件で老朽化が進んでいました。雨漏りまではしていないものの、屋根が傷んで修繕が必要な状態に。ただリフォームとなると費用もかかるので先延ばしにしている状況でした。

そんなとき、地元に台風が来て雨風が家にあたり、屋根の傷みが一気に進んでしまいました。倒壊は免れたものの、その後雨漏りするようになって早めに改修しなければならない状態になってしまったのです。

業者による訪問販売

佐藤さんは屋根の修理業者を探さねばなりませんでしたが、元々やらなければならないことにすぐに取り組むのが苦手なタイプ。先延ばしにしていたところ、業者の方から自宅を訪ねて来たのです。

営業マンは「屋根の無料点検をします。状況によっては無料で工事できる可能性があります」と勧誘してきました。

佐藤さんは「無料で工事してもらえるならこんなにありがたい話はない」と思い、すぐに点検を依頼しました。