高額な請求が来る

数日後、実際に業者が建築請負会社を手配し、屋根の修理が行われました。外壁もピカピカになって家族も大喜び。保険金手続きも思った以上に簡単で、佐藤さんはほとんど何もしなくても済み、「今回は本当に得をした」と思っていました。

ところがその後、業者から「実は保険が下りなかった。正規の工事代金がかかるので支払いをしてほしい」「屋根が思った以上に傷んでいて雨どいや外壁工事もしたので高額な費用がかかっている」などと連絡が来たのです。

請求額は、なんと300万円。災害に遭ったばかりの佐藤さんにそんなお金はありません。業者へ「請求の内訳を教えてほしい」と言っても、ずさんな明細書が示されたのみ。「もう工事も終わっているのでクーリングオフや解除にも応じられない」と言われてしまいました。

佐藤さんは、泣く泣く業者の言う通りに300万円を払うしかありませんでした。余裕資金がないので、子どもたちの学費のためにためていたお金を取り崩し、子どもたちには「アルバイトをして学費を稼ぐように」と告げるしかない情けない状況となったのです。家族にも多大な迷惑をかけてしまいました……。

●だまされてしまった佐藤さんを救う方法は? 後半へ続く>>