災害を防ぐ最新技術
日本は災害が多く、特に東日本大震災では甚大な被害が発生しました。このとき、特に高層ビルで問題となったのが「長周期地震動」と呼ばれる揺れです。1往復にかかる時間が長い揺れのことで、高層ビルは長周期地震動で大きく、長く揺れやすい特徴があります。
高層ビルを長周期地震動から守る技術として、竹中工務店が物質・材料研究機構などと共同で開発したものが「FMS合金ダンパー」です。ビルの揺れを吸収する制震ダンパーの1つで、従来の制振ダンパー用鋼材に比べて約10倍の疲労耐久性を獲得しました。これにより長い揺れが懸念される長周期地震動でも制震効果の持続が期待できます。
また、近年は水災による深刻な被害が出るケースも多く発生しました。被害を抑えるためには適切かつ迅速な河川等の巡視・点検が欠かせません。
近年、国土交通省はドローンや画像解析AIなどを活用した巡視体制を導入しました。これにより河川などの異常を自動的に発見できるほか、人が近づきにくい箇所も容易に状況が把握できる効果が期待できます。これら新技術により危険を早期に察知できるようになれば、被害に遭う人を減らせるかもしれません。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。