ゼネコンってどんな仕事?

国の公共事業の多くを受注するのは「ゼネコン」と呼ばれる建設会社です。ゼネラル・コントラクター(General Contractor)の略で、総合建設業とも訳されます。特に以下の5社が大手とされ、事業規模の大きさから「スーパーゼネコン」と呼ばれることも少なくありません。

【大手ゼネコン5社の業績(2022年3月期)】

※竹中工務店以外の4社は決算短信から、竹中工務店は自社リリースから引用

ゼネコンは一般に建築における「設計」「施工」「研究」を自社で行う能力を備えた建設会社を指し、大規模な建設工事の元請けを務めることが多いです。例えば東京スカイツリーは大林組が、新国立競技場は大成建設が手掛けました。大型の建築物のほとんどにゼネコンの存在があるといっても過言ではありません。ゼネコンは元請けとして工事を管理しつつ、その他の建設会社に仕事を割り振りながら完成を目指します。

また、ゼネコンが他の建設会社と一線を画すのは「研究」分野です。建築物には耐震性や耐火性といった多くの性能が求められており、近年では環境への配慮についても高いレベルで要求されるようになりました。ゼネコン各社はこれらの問題をクリアできるよう、日々新しい技術の研究・開発を行っています。

例えば鹿島建設が特許を持つ「CO2-SUICOM(シーオーツースイコム)」は二酸化炭素の削減に役立つ世界初の技術です。コンクリートに用いられるセメントは製造時に大量の二酸化炭素を排出しますが、鹿島建設はセメントの半分以上を特殊な混和剤などに置き換え、二酸化炭素の排出量を大きく削減したコンクリートを開発しました。

さらにこの混和剤は二酸化炭素を吸収する性質があり、火力発電所などで発生する二酸化炭素を大量に固定させることで、コンクリート製造にかかる二酸化炭素の排出量をマイナスにすることに成功します。つまり理論上、コンクリートを製造するほど大気中の二酸化炭素を減少させる効果が期待できるのです。

このようにゼネコンは新技術の開発者としての側面も持っており、これまでさまざまな革新的な技術を開発してきました。私たちの身の回りにも建設業界から生まれた技術が使われているかもしれません。