不動産投資は思ったより手間がかかる
副業が禁止されている公務員は、不労所得の代表でもある不動産投資が向いているという情報もよく見かけます。不動産投資は多くの場合、その土地や建物の購入に借り入れを利用します。借り入れをする際には職業や年収などで審査を受けますが、公務員は収入が安定しているため比較的金融機関からの借入がしやすくなっています。手持ち資産だけではなく金融機関から借りたお金で投資をすることでレバレッジ(テコ)の効果を使いやすく、収益性が上がることも見込めます。
ただし、不労所得と言っても全く労を割かずに多くのお金が入ることはありません。いくら借り入れをしたとしても、よほどの規模の物件でない限り、借り入れの返済や税金・維持費などを考えると必ずしもハイリターンになるとは限らないのです。
また、意外と盲点となっているのは、不動産投資をして不動産所得を得ることになれば、その分も税務申告が必要になることです。減価償却や経費の管理、決算書の作成や確定申告書の提出などが必要です。税務の知識をもっておらず、年末調整で何となく言われた書類に記入している場合、これらの知識を得る必要が出てきますし、税理士等に依頼すればその分支出も増えていきます。初めからローリターンでの不動産投資になっているケースではこういった費用がリターンを圧縮する可能性も考慮しておきましょう。
ゆくゆくは買った物件を売却して利益を得ようと思えば、物件選びも重要です。そのあたりを見極めるための情報や、信頼できる業者を探すなどの手間もあります。仕組みが整ってしまえば細かな管理などを自分ですることはありませんが、「不労」とイメージするよりはずっと手間と知識が必要なことも覚えておきましょう。