一方、公正証書遺言は公証人が関与し形式をチェックしてもらえるため、より確実な方法といえますが、当然のことながら費用が発生します。秘密証書遺言は公正証書遺言のように公証人と証人が関与して遺言があることを証明してもらいつつ、その内容は秘密にしておけるものですが、あまり利用されていません。
遺贈
最近、関心が高まっているのが「遺贈寄付」です。遺贈寄付とは、亡くなった際に遺産の一部または全部を自分の選んだ団体等に譲ることを指します。遺言によって寄付する場合もありますし、相続した人が故人の意向に従って寄付する場合もあります。そのほか、生命保険や信託の仕組みを活用する場合もあります。寄付先とのコーディネートを手掛けるサービスも出てきており、相続人のいない人が増える中でこれから活発になる分野といえるでしょう。
千里さんの計画
専門家に相談したりインターネットで調べたりしているうちに、千里さんが不安に思っていたことが徐々に整理されてきました。事業については、右腕としてずっと働いてくれている人が引き継ぐ気があるかどうかを確認し、引き継いでくれる場合は信託契約や遺言によって形にしておこうと考えています。
自分の心身が弱ったときのためには、パートナーと任意後見契約を結んでおくことが有効かもしれないと思いつつも、かなりの書類仕事が発生するとも聞くので、負担になるかもしれないと心配です。専門家への依頼も検討しています。
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