EUから抜けたいイギリス、加盟したいウクライナ

イギリスはEU離脱を選択しましたが、反対にEUへの加盟を目指す国もあります。昨年2月にロシアがウクライナに侵攻してからはウクライナと周辺国のジョージア、モルドバが立て続けにEU加盟を申請しました。ウクライナなどの3カ国はロシア経済に対する依存度を下げたい思惑があったと考えられています。

【EU加盟候補国の一覧】

※2023年5月時点

出所:駐日欧州連合代表部 欧州の安定と平和を強化するEUの拡大

EUは昨年加盟を申請したウクライナとモルドバについては加盟候補国として承認しました。しかし通常のEU加盟プロセスでは時間がかかり過ぎると懸念されています。例えば加盟候補国のトルコは1987年に加盟を申請しますが、交渉の開始は2005年まで待たねばなりませんでした。

フランスはウクライナが迅速に加盟できるよう「簡易版EU」の設立を提唱しますが、実現は不透明です。また、あくまで別の組織でありウクライナがEUに加盟できるわけではないことから設立の意義を疑問視する声もあります。

EUはウクライナを助けられるのでしょうか。世界の目がヨーロッパに集まっています。

【EU加盟国の一覧】

※イギリスの加盟は1973年、離脱は2020年

出所:外務省 EU加盟国

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。