投資を実践するのがマネーリテラシー向上の近道

こうしたハードルを越えてマネーリテラシーを身につけるにはどうすれば良いのでしょうか。

それは、とりもなおさず始めてみることです。

ちょっと前のデータで恐縮ですが、2016年2月に金融庁が公表した「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」で、投資未経験者1135人を対象にして、「投資を行わない理由」を聞いたところ、次のような結果が出てきました。

まとまった資金がないから・・・・・・73.2%
投資の知識がないから・・・・・・47.1%
投資は損をしそうで怖いから・・・・・・37.8%
どのように購入していいか分からないから・・・・・・36.7%
取引を行う時間的ゆとりがないから・・・・・・29.7%

でも、これらはもはや投資を始めない理由にはなりません。まとまった資金が無くても、最近では少額投資のツールがたくさんありますし、少額資金で投資を始めれば、仮に損をしたとしても、損失額を小さく抑えることが出来ます。

デイトレーダーのように頻繁に売買しなければ、ちょっとした隙間時間で投資は出来ます。

ひとまず、どこでも良いのでオンライン証券会社に口座を開いてしまえば、投資するための手段はたくさん用意されています。そのなかでも、とりあえず日本株を組み入れて運用する投資信託を1本、米国株を組み入れて運用する投資信託を1本買いましょう。金額は最低購入金額でもいいのです。

そして、それぞれの基準価額の値動きを時々、チェックするのです。毎日見る必要はありません。週末、あるいは月末だけでも良いでしょう。当然、基準価額は変動していますから、チェックする度に「儲かった」、あるいは「損した」ことが分かります。

それが分かったら、あとはなぜ儲かったのか、損したのかを考えましょう。それを半年も続ければ、マネーリテラシーは十分に身につくはずです。投資の知識をはじめとするマネーリテラシーを身につけてから投資を始めようと考えている人は、恐らくなかなか実践に踏み切れないでしょう。なぜなら、ひとつずつ学ぼうとしたらきりがないからです。

投資は若いうちから始めるに越したことはありません。勉強しているうちに、いたずらに歳を取って時間切れになってしまっては取り返しがつきません。まずは何かに投資してみる。そこから学べば良いのです。