笑いの中心となって築く前向きの場づくり

笑いの中心になって陽気な場づくりに貢献しようにも、自らが陰気に沈み込んでいてはかなわぬ夢だろう。東大の教授で、日比谷公園の設計などに携わり“公園の父”とも称された故・本多静六氏が、明るくなれるための3法則を残している。

1つは、まず誰でも好きになること。目の前の人と同じ環境のもと同じような両親・兄弟等の中で育ったら、自分もその人と同じような考え方や行動をしたはずだと推測すれば、寛容の気持ちが芽生えるはずだ。

第2に、何事も果断決行で物事に取り組もうと説く。優柔不断でいると、心にしこりが残り言動が鈍ってしまう。

第3に、あらゆる不幸を甘受することの大切さを強調する。どんな不幸も耐え抜くことによって、かえって自らの姿勢に幸福感さえ芽生えるのではないだろうか。

一方、「自分の弱点を好きになれ」という人もいる。筆者なども、人生を振り返ってみると、むしろ弱点のせいで救われたことが数多くあったような気がする。

笑いのための環境づくりも欠かせない。落語や漫才を聴いたり、コメディーを見たりして気分転換することも必要だろう。ふざけた漫画やポスターをデスクのそばに置き、ストレスに負けないようにと努める人もいる。1日に1回、笑えることを見つける努力をすることで、いつの間にか性格が明るくなったという人もいた。

欧米では、エイプリルフールの習慣がある。特定の人を笑いの対象とするのではなく、人と一緒に笑うネタづくりだ。

いまだに忘れられないのは、ロンドンのビッグベンをデジタル化するので、不要になった時計針を興味のある人へ払い下げるというものだ。多くの人がだまされ、だまされたと気付いたときの爆笑の渦――誰も傷つけることなく思わずほほ笑んでしまう懐かしい思い出だ。

スイスでスパゲティが豊作となり、農家の人が樹木からスパゲティを収穫している映像が流れた。だまされた人々が次々と栽培方法を問い合わせたという話も興味深い。

ただ最近は、4月1日には関係なく流れるフェイクニュースも多く、用心が肝心だ。