自社株買い規制はまだ可能性の域を出ていない
良い投資先が見つからない際に、ROEを改善する財務戦略の一つである自社株買い。しかし今後、岸田首相が言及した自社株買い規制がさらに現実味を帯びてくれば、円安や資源高も相まって、海外投資家による「日本売り」がさらに加速するかもしれない。
とはいえ、日本における規制はまだまだ可能性の域を出ず、米国の課税案についても議会で可決されるかどうか不透明な状態だ。企業を対象とした課税強化は各議員の利益関係や、しがらみによって、可決がスムーズにいかない場合も考えられる。
投資家目線では現段階において自社株買い規制の可能性を過度に不安視する必要はあまりないだろう。日米両国ともにこれまで重要視されてきた、企業・株主の利益追求という考え方から大きな転換がなされつつあるのかもしれないという点を踏まえ、市場を見極めていくことが大切だ。