今後のインデックスファンドへの影響は?
最後に、今回の市場区分変更がインデックスファンドに与える影響についても触れておく。
結論から言うと、日本で販売されている各種のインデックスファンドへの直接的な影響は極めて限定的であろう。指数算出会社は、除外を決定する前から段階的にロシアのエクスポージャーを引き下げていたためだ。
具体的な組入比率については、各運用会社が臨時レポート等を通じて定期的に公表しているのでそちらを参照いただきたいが、個々のインデックスファンドにおける組入比率は概ね1%未満と考えてよいだろう。とはいえ、現実にはロシアの株式や債券を速やかに売却することはできないため、ベンチマークの指数と、実際のファンドの値動きにかい離が生じる可能性はある。
また、今後の動きとして、ロシアに対する国際社会の見方が厳しくなる中で、倫理的な観点からロシアに「投資しない」、あるいは、ロシアのエクスポージャーを排除するというダインベストメント(ディスインベストメント)の動きが加速することも考えらえる。現に、ノルウェー、オランダ、スウェーデン、デンマークなどの欧州諸国と、米国の一部の州の年金基金は、ロシア関連資産の売却と投資撤退を決定している。
インデックスを通じた形であっても、投資するということは、その国や企業に金銭的な支援がなされることを意味する。指数算出会社も難しい判断を迫られるであろうが、私たち個人投資家もまた考えるべきことは多いと感じる。