縮小し続けた毎月分配型が「予想分配金提示型」で再燃?
「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は毎月分配型投信の主役から降りたものの、その後も同タイプの投資信託への資金流入は続き、2014年は3兆9257億円、2015年は3兆8157億円の資金流入となりました。
しかし、元本の一部を取り崩して高額分配を行っている実態や、再投資効果が得られず長期的な資産形成には不向きであることが金融庁などから指摘された結果、多くの販売金融機関が毎月分配型投信の販売を避けるようになりました。結果、2017年は1兆4919億円、2018年は2兆7945億円、2019年は3139億円、2020年は3360億円の資金流出になりました。
ところが昨年(2021年)は179億円の資金流入に転じました。同レポートによると、アライアンス・バーンスタインが設定・運用している「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の人気が高く、2021年中だけで9394億円もの資金が流入したということです。
「予想分配金提示型」は、毎月分配型投信の売れ筋になっています。2021年中における毎月分配型投信の設定額上位10ファンドには、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」のDコース以外に、為替ヘッジありのCコース、三井住友DSアセットマネジメントが設定・運用する「グローバルAIファンド(予想分配金提示型)」と「グローバルAIファンド(為替ヘッジあり 予想分配金提示型)」も入っています。
予想分配金提示型とは、決算日の前営業日の基準価額に応じた分配金額が決まっている投資信託のことです。たとえば前出の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の場合だと、決算日の前営業日の基準価額が1万4000円以上だと1万口あたりの分配金額は500円、1万3000円以上1万4000円未満だと400円、1万2000円以上1万3000円未満だと300円、1万1000円以上1万2000円未満だと20円、そして1万1000円未満の場合は、基準価額の水準などを勘案して決定する、となっています。
ちなみに「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は、ファンド名にもあるように米国の成長株式に投資するタイプの投資信託です。